元プロ野球選手の杉谷拳士(33歳)が、11月3日に放送されたスポーツ番組「ABEMAスポーツタイム」(ABEMA)に出演。“大谷翔平にフォローされている”と話題を呼んでいる、ウガンダ出身の独立リーガーに直撃した。
アフリカ・ウガンダ出身のカスンバ・デニス選手は、生卵を素手でキャッチングするというユニークな練習風景を自身のSNSに投稿して注目を集め、フォロワー数が急増。その中には大谷選手のアカウントもあった。
そんなカスンバ選手は、今年8月に独立リーグ・旭川Be:Starsに入団。練習拠点の北海道・深川市にある市民球場に杉谷が訪れると、練習の準備をしていたというカスンバ選手は、自身が使用しているプロテクターを「サルバドール・ペレスのものだよ」と紹介。MLBの第一線で活躍を続けるベテラン捕手の名前を挙げると、杉谷は「ペレスだって!」と驚きの声を上げた。さらにカスンバ選手は「これはマーティン・マルドナードからもらったよ」と、エンゼルス時代の大谷選手の元女房役の名前を挙げ、再び杉谷を仰天させる。
カスンバ選手の独自トレーニング風景を収めた投稿は、海を渡ってMLB関係者たちにも届き、MLBを目指す選手が集まるドラフトリーグに参加するチャンスが到来。さらにMLBオールスターでは、スーパースターたちとの交流も果たし、私物の野球用品をプレゼントしてもらったことを明かした。
カスンバ選手の練習を見学すると、反響を呼んだ独自トレーニングを日本でも続けている姿。タイヤの上に乗り、左手には2.5キロのレンガをぶら下げて行う捕球練習を杉谷も挑戦すると、「腕が疲れる!」と絶叫する。そして「しっかり腕を固定しないといけないから、フレーミングの技術向上にスゴく良い練習。理にかなっていると思います」とプロの視点から感想を語った。
カスンバ選手が趣向を凝らした練習方法を生み出した背景には、世界で最も貧しい国の1つとされるウガンダの中でも貧困家庭で育ったという生い立ちが関係している。野球道具が乏しく、食事も満足にとれない環境から、現在はチームが契約しているジムに通い、チームの寮で大盛りのご飯を平らげることができる生活に激変した。カスンバ選手は「日本に来た時は体重が62キロぐらいで、とても痩せていた。でも、今は74キロぐらいあります。すべてが変わりました。日本に来たことで夢に近づいているという感じがして、とても嬉しい」と語り、その“夢”については「日本プロ野球に行くために、コーチと一生懸命トレーニングを続ける。そしていつかMLBに行って、世界一のキャッチャーになるために戦いたい」と打ち明け、将来を見据えた。
取材を終えた杉谷は「とにかく明るくて、周りのみんなが集まってくるような存在。応援したくなるような選手だった」と笑みを浮かべ、「21歳ということで筋力の伸びしろがある。肩やリストがものスゴく強く、バッティングも力強い。まだ自分の体を使いこなせていない印象があったので、使いこなせるようになったら力を発揮できるから、伸びしろがまだまだある選手」と高く評価した。