カンフーサッカーが原因? 「なぜJリーグ移籍できないのか」中国紙が分析。

2009/07/22 19:06 Written by ナリナリ編集部

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Jリーグで活躍するアジアの選手の中で、最も多いのが韓国人選手。現在J1には10名以上の韓国人選手が在籍しているが、韓国以外のアジアの国の選手となると一気に数が減り、「ほとんどいない」というのが現状だ。それだけJリーグの各チームが韓国人選手に注視している証拠でもあるが、日本の隣国である中国のサッカー界では今、なぜ「中国人選手がJリーグに移籍できないのか」が話題となっている。今季からJリーグに導入された「アジア枠」(外国人選手枠3人に加えて、アジアサッカー連盟加盟国・地域の選手が1人登録できる制度)の存在が「Jリーグに見向きもされない中国人選手の現状」を際立たせ、高い関心を呼んでいるようだ。

中国の「遼寧日報」に掲載された1本の記事。タイトルは「中国人選手の素質が低いのか、それともJリーグの敷居が高すぎるのか」だ。同記事では、2008年2月の東アジア選手権日本vs.中国でMF鈴木啓太選手にノド輪を決め、日本でも一躍有名になったDFリー・ウェイフォン選手に焦点を当て、原因を探っている。

現在、リー・ウェイフォン選手は韓国1部リーグの水原三星ブルーウィングスに所属しているが、今季開幕前はJリーグへの移籍がしきりに騒がれていた。Jリーグに「アジア枠」が導入されたことと、Jリーグのチームは中国や韓国のチームに比べて資金力があるというのが主な理由。しかしいつの間にか移籍話は立ち消えとなり、気付けば韓国チームへの移籍が決定していた。

その原因として挙げられるのが、リー・ウェイフォン選手の荒々しいプレイだ。Jリーグではリー・ウェイフォン選手のようなプレイスタイルはあまり好まれない。加えて先の鈴木啓太に対するノド輪事件があまりにも強烈な印象を与えてしまったため、Jリーグのチームが獲得に二の足を踏んだという説もある。また、中国人選手は、韓国人選手と比べて身体能力は劣っていないものの、サッカーに対する態度や技術ははるかに劣るというのが一般的な中国内の見方。総合的に判断するに、Jリーグのチームにとっては、中国人選手よりも韓国人選手のほうが「はるかに魅力の高い選手なのであろう」と結論付けている。

とは言え、中国人選手の中には、これまでに日本で活躍した選手もいる。DFカ・シュウゼン選手(松下電器→ガンバ大阪)とFWシェン・シャンフー選手(富士通)だ。しかし、ともにJリーグ発足前後のことであり、ここ10数年は、中国人選手は日本でプレイしていない。そのため、Jリーグのチームが中国人選手獲得へ動く「前例」がないのもネックとなっているようだ。

また、サッカー中国代表もここ最近は華やかな成績を残しておらず、Jリーグのスカウト陣から目を向けられる機会が減っていることも理由に挙げられる。いずれにせよ、中国人選手に貼られた「カンフーサッカー」というレッテルを、中国人選手・中国サッカー協会が一丸となって払拭することが当面の課題となりそうだ。

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