公開中の「パイレーツ・オブ・カリビアン」も絶好調のジョニー・デップ。二枚目から三枚目まで幅広くこなせる彼は、演技に対する情熱が人一倍強いそう(映画を観てて伝わってくる)で、大好きな俳優の一人なのだ。そんなジョニー・デップが、ドイツの週刊誌のインタビューで米国への批判をあらわにしたのだ。
この記事が載っているCNNとasahi.comとではコメントが少し違う(配信元の
REUTORSでは記事が発見できませんでした)ので、両方を掲載すると、
CNN「米国は愚かで攻撃的な子犬だ。政治状況が変わらない限り、米国には住みたくない」
「妻(バネッサ・パラディ)と2人の子どもたちと一緒に南仏で暮らすほうがよっぽど幸せだ」
「フレンチフライをフリーダムフライと言い換えたときには言葉を失った。米政府で権力の座にあるいい大人たちがあまりに愚かな姿を晒したから」
「(子供たちへの教育について)壊れたおもちゃだ。少し触って感覚をつかんだらすぐ捨てろ(と教える)」
asahi.com「米国は間抜けだ。攻撃的で、周囲に危害を与える大きな牙を持った愚かな子犬だ」
「妻や2人の子どもと一緒に、フランス南部で暮らしているほうが幸せだ」
「彼らがフレンチフライをフリーダムフライと呼び換えたときは、ぼう然とした。米政府で権力を握るいい大人たちが、愚かさをさらしたんだから」
「娘は4歳、息子は1歳になる。子どもたちには、米国を壊れたおもちゃだとでも思って欲しい。ちょっと触ってみてこの気持ちを味わったら、放り出してもらいたい」
昨年からハリウッド俳優の政府(おもにイラク戦争)批判が相次いでおり、これまでに正式に抗議した俳優は、ジョージ・クルーニー、ショーン・ペン、ジェーン・フォンダ、スーザン・サランドン、ミア・ファロー、マット・デイモン、イーサン・ホーク、サミュエル・L・ジャクソン、ユマ・サーマンなどなど、一線級がズラリ。これを「売名行為だ!」と批判する声もあるけど、反戦や政府批判と同時に、アイデンティティ国家である米国の魅力の一つである「言論の自由」を守ろうとする動きでもあると、ぼくは思う。
特に強烈だったのが、「ボウリング・フォー・コロンバイン」のマイケル・ムーア監督がアカデミー賞授賞式の席上で放った言葉。
「イカサマ選挙で決まったイカサマ大統領を戴いて、イカサマの理由で戦争になり、イカサマ情報が流されている。このイラク戦争には反対だ。ブッシュよ、恥を知れ!」
これは強烈である。パブリックな場で名指しで批判している。同監督はまた、
「オレたちは“ノンフィクション”が好きだ。フセインが今晩、あんたたちを殺すだろうというのが“フィクション”。原油があるからイラクを攻撃していることが“ノンフィクション”だ」
「大多数の米国人は、自分の子供が戦争で死なず、兵士が無事に帰ってくることを願っている。彼らは、ブッシュには投票しなかった」
とウィットに富んだ辛辣な批判をしているのだ。
さて、ジョニー・デップの意図はわからないけど(たぶん、言いたいことを言ってるだけだと思う)、「ラスベガスをやっつけろ」のキレた記者役を演じた人のコメントだと思うと、なんとなく笑えるのだ。イカすぜ! ジョニー。