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想い出の「新福菜館」。
02/19 04:51 コジマ


「新福菜館」というラーメン屋はご存知だろうか。京都に本店を持ち、地元を中心にチェーン(フランチャイズ?)展開している店で、「天一(天下一品)のライバル」(友人談)だそう。

「新福菜館」は不思議な味がするのだ。一見どろっとしてそうな真っ黒なツユは、口に入れた瞬間は見た目どおりの濃厚あまから。でも後味がすごくさっぱりしてるのだ。九条ネギがすごく京都らしくてよいし、麺が太いのもぼくの好み。関東では横浜市の「新横浜ラーメン博物館」に昨年11月まで出店していたが、今年の1月8日より同市の「モザイクモール港北」内で営業している。ぼくは「ラー博」にも「モザイクモール」にも行ったことがないが、京都で4回ほど食べたことがある。以下はその想い出なのだ。

ぼくは4年前の11月に、地図も持たずに自転車で京都まで行った。その間にあったさまざまな出来事は後日お披露目するとして、出発してから雨で1日足止めを食らったので7日、ようやく京都に到着した。京都での滞在期間は2週間。京都出身の友人・竹之外くん(仮名)が地元のヤツらと住んでいた町屋の一室を貸してもらえることになった。無計画に出発した旅だったので、ぼくはたいした金を持っていかなかったし、オマケに名古屋で泊めてもらう予定だった友人が、約束を忘れて鳥取砂丘なんぞに遊びにいってたから、大都市にビビッてテントを張れなかったぼくは、ユースホステルに泊まるというムダ遣いをしてしまっていたのだ。

そんなぼくの財政危機を救ってくれたのが「新福菜館」だった。竹之外くんの「オレがバイトしてたラーメン屋に行ってみてよ。めちゃくちゃウマイから。ダンディな店長にオレの友達って言ったら安くしてくれるよ」との言葉に、「ウマイ」ではなく「安くしてくれる」に過敏に反応したぼくは、次の日の夜、二条城近くの「新福菜館 堀川三条店」までフラフラとチャリンコで乗りつけた。暖簾をくぐると、ダンディなオジサマと初老の男性が厨房にいた。「ははあん、これが噂のダンディ店長なのだな」と思ったが、身分は明かさずにおもむろにカウンターに座り、ラーメン(並)と焼き飯を注文した。合計1000円(当時)。ぼくの夕飯は、前々日がマクドナルドのコーンスープ、前日がかけそば。もし、気難しそうなダンディ店長に「竹之外ぉ? そんなヤツ知らねえよコンチクショウ!」ってなことを言われたらイタイ出費である。思わず冷や汗がたれる。ラーメンの旨さにびっくりしながら、忙しそうに厨房をぐるぐる歩き回るダンディ店長に目を光らせ、話しかける機会をうかがうこと10分、ついにチャンスが到来した。「あ、あの、た、たけぇ、竹之外くんご存知ですか?」「は?」面食らうダンディ店長。やっぱりダメだったのだ。竹之外くんのウソツキ! ああ、なんてこった。今日の贅沢あしたの貧乏。明日の晩飯はシーフードヌードルだな、などと絶望していると、ダンディ店長は厨房からカウンターに身を乗り出し、「竹之外ってあの、ウチでバイトしてたケンちゃん? 知ってるよー。懐かしいなあ。友達なの?」と急にフレンドリーになった。

ダンディ店長はとってもいい人だった。チャリで東京から来たということを伝えると、興味深げにぼくの話に耳をかたむけ、「ケンちゃんの友達だし、そんな旅行じゃ金がないでしょ」と半額の500円にしてくれたし、「水曜以外はやってるからいつでも来なよ」と言ってくれた。厚顔無恥なぼくはそれから4度も店を訪れ、そのたびに半額にしてもらったのだが、ぼくが通ったのは安くしてくれるからだけじゃない。ホントに旨い。ぼくが初めて出会うラーメンの味だったのだ。気兼ねして4回しか行かなかったが、ちゃんと金を払ってでも毎晩食べたかった。

ここで、竹之外くん直伝の「通の食べ方」を。別名「新福菜館フルコース」(コジマ命名)と呼ばれるそれは、まず、付け出し肉(ネギがいっぱいのったチャーシュー)と瓶ビールを頼む。ビールを飲みつつ、肉をむしゃむしゃと食べる。ビールがなくなった頃に、ラーメン(並)と焼き飯を頼み、それをはぐはぐ食う。満腹になったところで、お土産用の付け出し肉を注文し、それを明日の酒の肴にする、というものなのだ。うーん、まさにフルコース。ラーメンを筍(メンマ)入りにすると、もっとゴージャスに。新福菜館に行く人はゼヒお試しあれ。




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