マイケル・ムーア監督、新作映画でまたトラブルに。

2007/05/12(Sat) 11:09

マイケル・ムーア氏。ジャーナリスト、映画監督、TVプロデューサーを生業とする彼は、米国の社会的政治問題を取り上げては、その過激な取材方法や、語り口が賛否両論に語られる人物としても有名。アメリカ人にとって、好き嫌いがハッキリと分かれる人物でもございます。

ジョージ・W・ブッシュ大統領を大批判した映画「華氏911」を筆頭に、彼の活動の原動力ともいえるのが、いわゆる権力に対する抵抗。なんでも高校時代に学校運営のあり方に疑問を抱いた彼は、卒業と同時に地元の教育委員会に出馬。見事に当選して任期中に母校の校長と副校長をクビにしちゃったとか。ティーンが、学校や親に反抗心を持つのは珍しくないけど、ムーア氏のようにそこまで行動を起こしちゃうのは、結構珍しいかも。とりあえず一筋縄ではいかないのは、少年時代から変わらなかったということか(笑)。

そのムーア監督なんですが現在、新作映画の公開を控えています。医療問題をテーマにした作品だそうで、その撮影のために先日キューバを訪れたのですが、それがちょっとした問題に。市民がキューバを訪問することは厳しく制限されている米国では、渡航に特別許可が必要です。ムーア氏も事前に政府に特別渡航申請書を提出し、ようやくキューバ行きを許されたそう。

ところがムーア氏はこの旅行に、米同時多発テロで救出活動にあたり、その後病気を発症した人々約10人を引率。これが「旅行業者」としての活動とみなされて、先の申請内容と実情が違うとクレームをつけられてしまったのです。米政府の対キューバ禁輸政策にも触れる可能性があるとして、当局が捜査に乗り出し、何らかの処分が下る可能性もあるとか。

まあ、しかしムーア監督のこと。もし何らかの罪を与えられたとしても、凹むことはないんじゃないかと。大体キューバに行ったこと自体が、権力に対する刺激だとしか思えないし(笑)。この政府側の反応も「権力を盾にした、私の思想に対する妨害行為だ!」とか、強気でいいそうな気もするなぁ。

なにはともあれ、今回の騒動も映画の宣伝にはもってこい。個人的な推理としては、絶対狙ってたと思う。

参照記事
マイケル・ムーア監督がキューバで撮影、米財務省が調査(CNN.co.jp)

 

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