日本橋三越の「ウォレスとグルミットの世界展」を直撃!

2006/03/11(Sat) 20:31

もうすぐ日本でも劇場公開が始まる「ウォレスとグルミット 野菜畑で大ピンチ!」。先日発表された第78回アカデミー賞でも長編アニメーション部門を受賞しました。この日本公開を記念し、日本橋の三越本店ではたった今「ウォレスとグルミットの世界展」というイベントを開催しています。運良く東京暮らし中のウォール家も、この作品が大好き。一足先にアメリカで公開されたのを観て、またまたファンになってしまいました。

展示会では実際に映画で使用されたクレイたちやセットが展示されたり、製作元のアードマン・スタジオからやってきたアニメーターが制作秘話を語るトークショーなども企画されているとかで、これはぜひともチェックせねば!

というわけで、3月11日に日本橋までやってきたウォール家一同。会場は思ったより狭いものの、お目当ての展示物にはさすがに目を奪われました。映画ではわからないその粘土細工の実物の小ささ!デティールの細かさ!

この小さなフィギュアを手でひとつひとつ、少しずつ動かして撮影されたストップモーション「野菜畑で大ピンチ!」。なんでも30人のスタッフがフルタイムで製作しても、1日たったの5秒分しか撮影できなかったといいます。その気の長い作業を2年以上も続けて、やっと出来た同作品。いやはやスゴイですねぇ。

展示会場には特設のグッズ販売ショップも設けられていて、わが娘たちも目を輝かせています。い、いかん。ここで財布を緩めるととんでもない散財をしそうな予感……(もちろんその後予感的中だったワケですが)。

さて2時になり、今回のイベントに参加するためにわざわざ本国イギリスのアードマン・スタジオから来日したアニメーターのマーリン・クロッシンガム氏のトークショーが始まりました。彼は「野菜畑で大ピンチ!」の撮影現場で実際にその手でフィギュアを動かしたアニメーターでもあります。数ある製作スタッフの中でも、登場するキャラクターの「表情」を担当出来るのはたったの5人。さらにその中でも最高責者であるという彼が語る作成秘話に耳を傾けます。

「よくグルミットは言葉を話さない分、表情がとても豊かだといわれるが、実は私たちはあまりオーバーにならないように気を使っています。ほんの微妙な視線や肩の動きなど、余計なものを取り除いた結果、あの言葉のないセリフが出来上がるのです」

「先の長編アニメ『チキン・ラン』では、粘土フィギュアの表面に気を使ってしまい、逆に無機質な仕上がりとなってしまった。なので今回の作品ではより手作感を出すために、わざと粘土に指紋や指の凹凸を残すようにした」

「まだ作品を観ていない皆さんにはあまり多くを語れませんが、今回の作品ではウォレスの隠された内面なんかもストーリーに含まれているので、そこをぜひご覧になって頂きたい」

などなど。彼の口から出てくる言葉には製作者側の熱い思いが込められているようで大変興味深いものでした。トークショーの最後には集まった観客からの質問コーナーがあり、そこでも「1体のフィギュアを作るのにどのぐらい時間がかかるのか?」という質問に、これまた丁寧に答えるクロッシンガム氏。ちなみにたったひとつのフィギュアを作成するのにも、30人近くのスタッフが細かい作業わけで取り組んでおり、たったひとつのフィギュアを完成させるのにウォレスで約3週間、グルミットで2週間もかかるのだそうです。

そんなマンパワーの結晶ともいえる「ウォレスとグルミット 野菜畑で大ピンチ!」。残念ながら今回の三越でのイベントは3月12日でお終いですが、映画の方は3月18日から全国ロードショーで公開されます。ストーリーも本当に楽しいので、皆さんもぜひぜひご覧になってください。


ウォレスとグルミットの世界展(日本橋三越本店 公式サイト)
ウォレスとグルミット・オフィシャルサイト(Sonymusic.com)
Aardman Studio 英アードマン・スタジオ 公式サイト(aardman.com)
"Wallace & Gromit The Curse of the Were-Rabbit” Official Site(wandg.com)−英文−

 

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