ぶらり宮崎、グルメ旅 Part3
2005/02/15(Tue) 00:53
宮崎発祥美味第一弾、「チキン南蛮」 一夜明けて滞在2日目、まずはチキン南蛮に挑戦することになりました。宮崎名物の1つに挙げられるチキン南蛮は、南蛮漬けの鶏肉バージョンなのです。宮崎では定食屋さんや居酒屋さんだけでなく、弁当や家庭料理としてもよく出てくるそうです。約40年前、宮崎市のレストラン経営者が長崎の(魚の)南蛮漬けをヒントに開発したのだとか。ふつう「宮崎でチキン南蛮を食べる」というと、発祥の店「おぐら本店」に行くのだそうで、今回の案内役のYさんも「おぐら本店」に私たちを連れていってくれる予定だったのです。ところが昨夜の「Bar Vintage」での聞き込み調査から、「おぐら本店よりも美味い」「地元の若者に人気」「チキン南蛮だけでなくハンバーグも絶品」という「Bistro ADEN」に向かうことにしました。 この通りを進みます | ずんどこ、ずんどこ | ADENに到着 | 「Bistro ADEN」は、宮崎市内でも屈指のおしゃれ通りに面したおしゃれビルの2階にありました。古いワーゲンバスみたいな色のドアを開けて入った店内は、広くはないのですが白い壁とこげ茶色の木のテーブルセットがとってもおしゃれ。静かで優しい陽射しが差し込み、リラックスできる雰囲気です。地元の若い人たちに人気というのも納得できました。 2階へ進みます | 渋い色のドアを開けると | 落ち着いたカラーの店内 | 早速注文します。私たちはそろって「チキン南蛮 アデン風」(800円)、Yさんは「ハンバーグ アデン風サラダ付き」(900円)をオーダーしました。 10分ほど経って出てきたチキン南蛮に私たちは目が点になりました。揚げられたどでかいチキンにタルタルソースがドカッとかけられているのです。昼からの胃もたれを懸念して、私たちはおそるおそる口に運びました。ところがどうでしょう、思ったほど油っこくないのです。南蛮漬けにタルタルソースがこれほど合うとは。和風のチキンフィレカツといったところです。また、このタルタルソースが絶品。チキン南蛮がなくなると、添え物のポテトやにんじんのグラッセにぬりたくって食べちゃいました。Yさん曰く「安いお店のチキン南蛮だとこうはいきませんよ。チキンは油でべちゃべちゃ、タルタルはその辺のスーパーで売ってるようなものを使ってるんです。まあ、でもチキン南蛮は家庭料理でもあるので、そんな気取って食べるものじゃないんですけどね」。家庭で工夫してみても面白いですが、このタルタルソースや南蛮漬けの漬け汁はここに来なきゃ味わえません。Yさんにちょっとわけてもらったハンバーグも最高でした。あのデミグラスソースがたまりません。 おしゃれなのにアットホームな雰囲気なので、カップルだけでなく家族で来ても安心して食事が楽しめるお店でした。 宮崎発祥美味第二弾、「レタス巻」 美味しい洋食に腹が満たされた私たちは、ちょっくら観光に出掛けることにしました。行き先は、絶景で洞窟の中にある変わった神社、鵜戸神宮です。日南市にあるので宮崎市内からはちょっと遠く、腹ごなしには丁度よい距離でした。Yさんがバスガイドさんのように案内してくれます。「鵜戸神宮は、最初の天皇・神武天皇のお父さんを祀ってるんですよ」。 さすが天孫降臨の国・宮崎。荒れる日向灘の怒濤をかいくぐり、到着したのは本当に洞窟のなかにある神秘的な神社。まさに荘厳でした。社殿前の海のなかにある「霊石亀石(れいせきかめいし)」に「運玉(うんだま)」を投げ込んで、穴にうまく入ると願いが叶うというのですが、悲しいことに誰ひとり入りませんでした。 おみくじで凶を引いたより沈んだ一行は、宮崎駅を通りすぎてシーガイヤを見学したあと、また中心街へ戻ってきました。戻る途中には「サンマリンスタジアム」という立派な野球場や、巨人のアンテナショップも発見。さすが巨人が長年キャンプを張る宮崎です。 サンマリンスタジアム | ジャイアンツショップ | そしてYさんから、次にいく店のレクチャーを受けました。「今ではどこにでもあるレタス巻、サラダ巻の類は、宮崎の、これからいく『一平』が発祥なんです。『レタス巻』も美味しいですが、お寿司もなかなかですよ!」。私たちは高鳴る胸の音ならぬ腹の音を抑えきれずにいたのは言うまでもありません。 しばらくして、「一平」に到着。拍子抜けするくらいアットホームな店内は、私たちを安心させました。Yさんがにぎりとレタス巻2本セットの「盛り合わせ」(900円)、私たちはにぎりと鉄火、そしてレタス巻4本がセットになった「大盛り」(1300円)を頼みました。ついでに目がとまった「かに汁」もオーダー。 店内にはそこかしこにレタス巻の口上が貼ってあり、それによると「店主が30年前に作曲家の平尾昌明氏と考案した」そう。平尾氏とは「カナダからの手紙」や「星は何でも知っている」を歌っていた歌手で、「必殺シリーズ」の作曲もしていた有名な作曲家。どうも平尾氏は野菜嫌いで、それを克服するために店主が試行錯誤した末に「レタス巻」がこの世に生まれたのだそうです。口上には「おいしさの秘密は“オリジナルマヨネーズ”と“天然物の大きな海老」とも書いてあって、待ってる間、いやでもボルテージが高まりました。 さて、その美味さといったら! シャキシャキのレタスにプリップリの大きな海老、絶妙のマヨネーズと、口上どおり、完全にやられました。いくらでも食べられます。にぎりも美味しいのですが、レタス巻をもっと食べたかった……。また機会があったら、今度はレタス巻だけをたくさん頼みたいと思いました。また、サイドオーダーのかに汁が大当たり。大きなカニの半身がドカンと入っていました。そのダシの美味いこと美味いこと。 レタス巻ウマイ! | かに汁も絶品! | 大満足の一行は、翌日仕事のYさんを除いて昨日行った「Bar Vintage」にまたもや向かったのでした。 花火が見られる酒処「輝夜」 さて、私たちは、「Bar Vintage」に行く前に課題がありました。昨日、行列に並んだにもかかわらず寸前で品切れになった「肉巻焼きおにぎり」を食べることです。しかし、無情にもこの日はお休みでした。滞在日数はあと半日。「肉巻焼きおにぎり」を手にすることはできるのでしょうか。 私たちが「Bar Vintage」に着くと、オーナーの大富さんのほかにお客さんが2人いました。が、そのお客さんも帰り、私たちが1杯飲んでる間も新たなお客さんは入ってきませんでした。「今日はもうダメですね。店、閉めちゃいます。いい店あるんで飲みにいきましょうよ」。昨日会ったばかりの大富さんの気さくな誘いに、私たちは感激しながら乗っかりました。 大富さんに案内されたのは、ラウンジ(キャバクラ)……ではなく、竹や和紙で装飾された本格的な“和”の居酒屋「輝夜」でした。“居酒屋”というのがはばかれるくらい、グラスではなく陶器、BGMは和楽器と、至るところに“和”へのこだわりが見られる落ち着いたお店です。実はこの店、大富さんが以前修行していたグループの店で、この「輝夜」のコンセプトづくりはすべて大富さんが企画したものなのだそうです。 メニューも凝っていて、たくさんの種類の焼酎だけでなく、日本酒や抹茶を使ったカクテルなど面白いものばかり。さっそく日本酒のカクテル「舞妓さんの休日」(1000円)を頼みます。店長の松本さんは、大富さんの元同僚。今や同じく店を切り盛りする者同士、「今日の(お客さんの)入りはどう?」なんて会話をしてました。その後私たちを紹介してくれて、東京の飲食店事情や焼酎の話で盛り上がりました。 「夏に宮崎の花火があるんですが、この店は特等席なんですよ。だからその日だけは超満席なんです(笑)」(松本さん)。和の雰囲気に浸りながら和風カクテルや地焼酎を飲み、花火を見る。これは最高ですね。ぜひとも夏に来たいものです。 (つづく) 〈今日行ったお店リスト〉 「Bistro ADEN」 住所 宮崎市広島1-4-1 金城堂ビル2F 電話 0985-25-1537 営業時間 11:00〜21:00 定休日 不定休 「一平寿司」 住所 宮崎市松山1-8-8 電話 0985-25-2215 営業時間 11:00〜22:00 定休日 火曜日 「輝夜」 住所 宮崎市橘通西3-2-2 ダイアモンドビル6F 電話 0985-27-6103 営業時間 19:00〜翌3:00(金、土曜日は4:00まで) 定休日 無
・ぶらり宮崎、グルメ旅 Part1 …… 冷や汁やカツオカレーなど ・ぶらり宮崎、グルメ旅 Part2 …… 焼酎など
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