世界の巨匠のカレー屋「北野印度会社」
2004/12/28(Tue) 03:24
その昔。まだビートたけしが映画監督として「世界の巨匠」と呼ばれるようになる、ずっと前のこと。タレントショップブームの流れの中で、日本テレビ系バラエティ番組「天才たけしの元気が出るテレビ」の企画として誕生した「北野印度会社」を覚えているでしょうか。 とんねるずの「バレンタインショップ」や田代まさしの「マーシーズ」といったショップが軒を連ね、「タレントショップの聖地」と呼ばれた軽井沢に出店したのを皮切りに、一時はハワイにも店舗を拡大するなど、手広く展開するほど勢いがあった時期も。ネットに散見できる情報をまとめると、軽井沢、清里、嵐山、河口湖、山中湖、仙台、ハワイなどに出店していたようです。たしか東京など都市部にはほとんど出店していなかったはず。基本的に、観光地向けの飲食店といった感じですね。 しかし、好調だった時期もそう長くは続かず、バブルの崩壊とタレントショップブームの終焉によってチェーンは縮小。はっきりとした情報は分かりませんが、2001年11月25日に軽井沢店が閉店したのを最後に、「北野印度会社」は姿を消してしまったと言われています。ただ、ほんの3年前まで営業している店舗があったことはあまり知られていないため、その存在はかなりノスタルジックな話題として語られることが多いようです。 味はどうだった? 味に関しては、実際に食べたことがある人も「最後に食べた時」からずいぶんと日が経っていることもあって、記憶が曖昧な人が多い様子。でも、薄い記憶の中では、タレントショップという割には、結構美味しかったような気がします。 特徴的だったのは、横に長いカレー皿の真ん中にご飯が盛られ、その左右に2種類のカレーがかけられたスタイル。このスタイルを大々的に取り入れたチェーン店は、「北野印度会社」が初めてだったかもしれません。 グッズの数々 「北野印度会社」がタレントショップと言われる由縁は、単にビートたけしが前面に起用されているから、ということだけでなく、数々のグッズが販売されていたことにもあります。カレールーや福神漬けはもちろん、カレー皿、水差し、グラスなど、食器関係のグッズがたくさん発売されていました。 現在、オークションなどにほとんど出品されることがないのは、実際に使用してしまって汚れてしまっていたり、陶器やガラス製品なので割れてしまったからだと思われますが、ほぼ未使用状態の水差しとカレー皿が手元にあったので、どんなグッズだったのかを少し見ておくことにしましょう。 ここだけ素焼き調人形 | 顔アップ。似てます | 手にはカレーを | 象に付いたロゴ | 象の正面 | カレー皿はほかに円形のオーソドックスなものもあったようですが、残念ながら手に入れることはできませんでした。写真の赤と緑の横長のカレー皿は、サイズが違うので、ひょっとしたら小さい赤のほうが子ども用、緑のほうが大人用ということなのかもしれません。ここら辺は、はっきりとした情報がないので推測の域を出ませんので悪しからず。 水差しはかなり凝った作り。ビートたけしの人形が載った部分が外れ、水を入れることができます。水が出てくるのは象の鼻の部分。なかなか見て楽しいグッズです。象は陶器ですべすべですが、ビートたけしの人形の部分は素焼きでザラザラとした感触。人形の肌の色味を出すために、この部分だけ素焼きにしているようです。 最近はすっかりタレントショップという存在自体が姿を消してしまいましたが、盛り上がっていた当時は結構楽しかったもの。同じようなタレントショップブームが今後訪れる……とは思いませんが、こういう時代もあったということを忘れないためにも、しっかりと記録を残していきたいものです。 ※とにかく「北野印度会社」に関しては、有名なわりにあまり情報が有りません。なにか思い出話や、グッズの写真、店舗の様子など、資料となりそうな情報があれば、ぜひとも提供していただけると有り難いです。
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