“パクチー新年会”行ってみた、パクチーを熱く語り食べ尽くす。

2015/01/22 20:24 Written by Narinari.com編集部

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パクチーほど好き嫌いがはっきり分かれる食べ物はない。「パクチー好き?」と聞くと「苦手!」と答える人は、半分くらいはいるように思う。

「パクチー嫌いは、思い込みです!本当はみんなパクチーが好きなんです」と語るのは、世界で初めてのパクチー料理専門店「paxi house tokyo 」を立ちあげた佐谷恭(さたに・きょう)さん。これまでにユーラシア大陸を3回横断し、世界中を旅する中でパクチーに出会い、パクチーに魅入られた佐谷さんは、パクチー普及活動を行うパクチー狂会の会長であり、パクチー銀行(※)頭取。日本、いや世界におけるパクチーの第一人者と言って過言ではない。

(※)パクチー銀行とは、パクチーを栽培したい人がパクチーの種を手に入れられるシードバンク。たくさん種を収穫することが出来た人は一部を銀行に返し、翌年さらに多くの人が栽培することができるようになる仕組み。

そんな佐谷さんの熱いパクチートークと、パクチーをふんだんに使った料理を楽しむという、パクチー好きにはたまらないトークイベント「新春!ぱくぱくパクチー新年会 2015 」が、先日、都内で行われた。


◎まずは“カンパク”やってみよう!

「みんなで“カンパク”しましょう!」と佐谷さんが立ち上がった。“カンパク”とは、佐谷さんが経営する「paxi house tokyo」ではおなじみの乾杯のかけ声のこと。世界中で乾杯をしてきた佐谷さんが、現地で聞いた楽しいかけ声をもとに、アレンジしてつくったオリジナルのものだ。

佐谷さんが「ビーラ!ビーラ!ビーラ!」と叫ぶと、お客さんが「パク!パク!パク!」と返す。“ビーラ”はスウェーデン語でビールという意味。このかけ声をスウェーデンの酒場でやってみたところ、大合唱がおきたのだという。

佐谷さん「ビーラ!ビーラ!ビーラー!」
お客さん「パク!パク!パク!」
佐谷さん「ビーラ!ビーラ!ビーラー!」
お客さん「パク!パク!パク!」
佐谷さん「ビーラー!」
お客さん「パク!」
佐谷さん「ビーラー!」
お客さん「パク!」
佐谷さん「ビーラ!ビーラ!ビーラー!」
お客さん「パク!パク!パク!」

全員「カンパーク!!」

参加者一体となってカンパクコール。会場の雰囲気も一気に盛り上がり、隣人との距離も近くなったように感じる。


◎パクチーのこと、意外と知らなかった。

「パクチーは、日本でまだ誤解されている」と佐谷さん。そのひとつとして、「パクチーはアジアの食べ物」という誤解があげられる。実は、パクチー発祥の地は、地中海沿岸。スペインやポルトガルといったヨーロッパ諸国で、よく食べられているそうだ。また、意外にも主な生産地はロシア。パクチーは寒い方がよく育つのだとか。パクチーの旬は春と秋。さらに、冬のパクチーはゆっくり育つので、味が濃くて美味しくなるらしい。

佐谷さんと、この日、司会を務めた“パクチー嫌い”を公言する東京カルチャーカルチャー・プロデューサーのテリー植田さん。二人が、パクチーの食わず嫌いについて語る。

佐谷さん「だから、パクチーが嫌いだから食べない、というのはウソなんですよ!」
植田さん「……何、言ってるんですか?」

パクチーを初めて食べた人のうち半分くらいは、「なんじゃこりゃー!ふざけるな。二度と食べるか!」と言う。だが、それでも食べていると、だんだん口に馴染んできて、なくてはならない味になる。

大葉やみょうがなどがいい例だ。それなのに最初のインパクトから嫌いと思い込み、食べないままでいる。その結果、ずっと苦手で食わず嫌いになる。「それは食に触れるという意味では不幸なこと」と佐谷さんは主張する。

最初は、怪訝そうだった植田さんも「けっこう人見知りなんだけど、最初嫌だなーと思った相手でも5年後には好きになる、ということはありますね…。それと似てるかも」と少し納得。

他にも、パクチーが日本に伝来してきた頃は「こにし」と呼ばれていたとか、パクチーは加齢臭を消す効能があるとか、お肌がツルツルになるとか(確かに佐谷さんはハリとツヤがある美肌だった!)、妊婦さんがパクチーを食べると頭のよい子が生まれるとか、トリビアからオカルトまで、パクチーに関する小ネタが盛りだくさん。古文書から医学論文まで、佐谷さんの調査の深さに驚かされる。


◎パクチーたっぷりのパクチー料理

今回のイベントはパクチートークを聞きながら、パクチーをふんだんに使ったお料理をいただくというもの。選りすぐりのパクチーメニューを紹介しよう。

・「海老のパクチー生春巻き」はみ出すくらいにパクチーが入っている。
・「タイ風若鶏の唐揚げ」甘辛チリソースとマヨネーズにもパクチーは負けない。
・「ペンネパラビアータ」濃いトマトソースと唐辛子のピリ辛にもパクチーは負けない。・「パクチーサラダ」これはもうパクチーそのもの。

また、この日は+100円で「追パクチー(追パク)」も可能だった。店員さんによると、パクチーサラダに「追パク」をする人もいたとか! やはりパクチー愛の強い人たちが集まっているようだ。

おそるおそるパクチー料理を食べるパクチー嫌いの同行ライター。活き活きした美味しそうなパクチーがでてきたので、生パクチーの試食にもチャレンジ。

パクチーの独特な香りが苦手、とのことだったが、意外にも生のパクチーにそれほどの嫌悪感はなかったようだ。それでも「今日は、一生分のパクチー食べた…」と呟いていた。(こうやって少しずつ馴染んでいくはず…!)

日本では、パクチーの葉か茎しか食べないが、本来は、葉、茎、根、種、花と全部食べられ、それぞれに違った味わいがあるのだとか。

佐谷さんによると、パクチーを育てると1メートルもの大きさになり、その茎はものすごく固くなるそうだ。その固くなった茎の表面の皮をむいて中身を食べると、絶品なのだそう。さらには赤ワインにパクチーの花を浮かべる方法もおススメしてくれた。どちらもパクチーを育てていないと手に入れるのは難しいが、ぜひ試してみたい!


パクチー料理のあるところにビールあり。この日は、ヒューガルデンがパクチーメニューに載っていた。

実は、ヒューガルデンには、コリアンダーが入っている。コリアンダーとは、英語名のパクチーのことなのだそう。海外のビールには、コリアンダーを使っていることが多いようだ。パクチー嫌いと言っても、ビール好きならば知らないうちにパクチーを摂取しているのである。

コリアンダーはカレーに使う香辛料としても知られている。つまりカレー好きは、すでに喜んでパクチーを食べているのだ。

そう考えると、「パクチー嫌いはいない」という佐谷さんの言葉が、真実に思えてくる。パクチーは姿形を変え、我々の食生活にジワジワと馴染んできている。


◎みんなでパクチーを盛り上げよう!

佐谷さんが、日本パクチー狂会をつくった頃は、パクチーに関する情報がほとんどなく、パクチーが食べられる飲食店や売っているスーパーも少なかったそうだ。そんな時代から日本パクチー狂会は、パクチーを普及するべく様々な活動を続けて来てくれた。今、スーパーでパクチーが買えるのも、佐谷さんたちのおかげだろう。

「paxi house tokyo」のパクチーのスペルは、“paxi”(タイ語での本来のスペルは“phakchi”)。これには、あるメッセージが込められている。“pax”は、ラテン語で「平和」を意味する。そして、“i”は旅人を表しているのだそう。

つまり“paxi”は、旅人が集うことで平和になることなのだ。「パクチーは旅と平和の象徴なんです」と佐谷さん。

イベント終了後には、すっかりパクチー通の気分。89という数字がもう(パク)としか読めないくらいに、パクチーが頭に刷り込まれてしまった(※トーク時間も『ぴったり“89分”』だった)。

パクチー好きになると、パクチーがたまらなく食べたくなるパクチー禁断症状のときがくる。そんなときは、佐谷さんの「paxi house tokyo」に行ってみよう。きっと陽気なパクチーファンたちが、旅で知り合った仲間のように、待っていてくれるだろう。




※この記事は、情報サイト「イベニア」編集部(http://evenear.com/ 文・写真 橋村望)が執筆したものです。同編集部の許諾を得て掲載しています。

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