幻の名作「ムーミン谷の彗星」、迫り来る恐怖と不安…みんなどうする?

2014/12/15 12:00 Written by Narinari.com編集部

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作家のトーベ・ヤンソン生誕100周年となるメモリアルイヤーを迎えた「ムーミン」作品群の中で、“幻の作品”と呼ばれてきた映像がDVD化、さらには劇場上映が決定した。

今回発売が決定したのは、1978年〜1982年にポーランドで制作・放送されたパペット・アニメーション。ポーランドのほか、ドイツで放送された後、英国、そしてフィンランドで放送され、高い評価と人気を得た作品だ。制作陣が何度もトーベのもとを訪れ、またトーベ自身もポーランドにおもむき、制作・監修に深くかかわったと言われるこの作品。制作から約30年が経った2010年に再編集され、カンヌの映画マーケットでお披露目されていたが、その後日本で公開される機会がなく、ムーミンファンの間で“幻の作品”と呼ばれていた。

原作は、ムーミンの物語の中でも名作の1つと言われている「ムーミン谷の彗星」。ムーミン・シリーズ2作目として1946年に刊行された「ムーミン谷の彗星」は、1914年生まれのトーベが数度にわたる戦争を体験する中で執筆され、何度も推敲を重ねた作品だ。ムーミンとスナフキン、スノークのお嬢さんが初めて出会うという、ムーミン谷の話の中でも、とても重要な作品となっている。

とてつもなく大きな災害・不安な出来事に襲われそうになった時に、どのような行動をとるのか?――

「ムーミン谷に彗星が衝突してしまうかもしれない」。そんな時、ムーミン谷の面々は、それぞれ違った行動をとる。怖いものから目をそらす者、本当に怖いことが起きるのか確かめようとする者、様々な行動をとるキャラクターたちに、つい自分を重ねてしまうかもしれない。彗星が衝突し、ムーミン谷が壊れてしまうかもしれないという大きな不安に直面した時、子どもの頃の親に対する絶対的信頼、友情、自分より小さくて弱いものを守ろうとする気持ち、没頭できる趣味、好きなものに出会い、高揚する瞬間、そんな時だけは、大きな不安から解き放たれる感覚、様々な感情が浮き彫りとなる。

それぞれが様々な考えを持ちながらも、決して自分の考えを他人に押し付けることなく、互いを尊重し、「飄々と」過ごすキャラクターたち。その姿には何かを学ぶ感覚はありながらも、何より楽しめる作品に仕上がっているのが、トーベ・ヤンソンの作品ならではの深みかもしれない。

映像は恐ろしく美しい“豊かな色彩”で作りこまれた背景に、丁寧に作られた小物、主にフェルトで作られたパペットが印象的。自身、ムーミンのパペットづくり、ムーミン谷のジオラマづくりに没頭していたという原作者のトーベと、パートナーであるトーリッキ・ピエティラが自ら作ったパペットを参考にして作られ、トーベ自身がとても愛していた作品と言われている。

主題歌は、長年ムーミンのファンだったというアイスランドの歌姫ビョークが担当。DVDには特典映像として、ビョークのムーミン仕様のミュージックビデオも収録が決定している。

また、日本でのDVD発売にあたっては日本語吹替え版も製作され、「楽しいムーミン一家」のメインキャストが勢ぞろい。ムーミンに高山みなみ、ムーミンママに谷育子、ムーミンパパに大塚明夫、スニフに中尾隆聖、スナフキンに子安武人、そしてナレーションは 白鳥英美子が務め、ムーミン谷が生き生きとよみがえる。

なお、DVDは通常版と数量限定版の2種類をラインアップ。数量限定の愛蔵版には、彗星の地球衝突という巨大な不安から、グラス1杯のレモン水をのむことでひとときの開放を得るというシーンにちなみ、「ムーミン谷の彗星 オリジナルグラス(2種・絵柄違い)」が封入される。


☆「ムーミン谷の彗星」ストーリー

ある朝、ムーミントロールが起きると、空や川、木や地面、そしてムーミンハウスまで、ムーミン谷の何もかもが灰色になっていた。物知りのジャコウネズミさんに聞いてみると、「空から恐ろしい彗星が地球にやってくる前ぶれなのだ」と教えてくれた。不安に怯えるムーミントロールとスニフ。ムーミンパパとムーミンママは、彗星について調べるために、2人をおさびし山にある天文台に行かせることにした。ムーミンパパが作ってくれたいかだで出発したムーミントロールとスニフは、河原でテントを張っていたスナフキンに出会い、旅の仲間が増えた。3人は、ガーネットの谷の化け物を倒し、荒れ狂う地下の川を下って、岩を上り、遂に天文台にたどり着いた。

天文学者は計算によって恐ろしい彗星が、あと4日と4時間4分44秒後にやってくると予測。家に帰ればきっとパパとママがなんとかしてくれる! 4日後の日曜日までにムーミン谷へ帰らなければ! ムーミントロールたちは、家路へと急ぐ。その途中、
予測もつかない奇妙な生き物たちや危険が待ち受けていたが、スノークのお嬢さんと、お嬢さんの兄スノークという新たな旅の仲間も加わった。
迫り来る彗星が到着するまでに、ムーミントロールと仲間たちは、無事パパとママが待つムーミン谷へたどりつくことができるのか?


☆劇場での上映も決定

「ムーミン谷の彗星」は、2015年1月31日より開催されるトーキョーノーザンライツフェスティバル 2015(北欧映画祭 http://www.tnlf.jp/)でのプレミア上映が決定。また、2月28日(土)よりシネ・リーブル池袋にてロードショー公開、さらに初夏シネ・リーブル梅田を始め、全国順次公開を予定している(http://moomin-suisei.com/)。

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