「世界一幽霊が出る島」競売へ、財政難イタリア政府の決定に反発も。

2014/04/17 18:41 Written by Narinari.com編集部

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水の都として知られるイタリア・ベネチアの市街地近くに浮かぶ無人島、ポヴェリア島。中世から続くさまざまな経緯もあって「世界一幽霊が出る島の1つ」と言われ、現在立入禁止区域ともなっているこの島が、所有するイタリア政府の資金捻出策の一環で5月に競売へかけることが決定した。不気味ないわれもある島が、果たして、誰に、いくらで売却されるのかは気になるところだが、一方で現状維持む地元住民たちも少なくないようだ。

英紙デイリー・テレグラフやイタリアニュースサイトのザ・ローカルなどによると、中世から数々の悲劇的な出来事が繰り返されてきたというポヴェリア島。14世紀、都市国家間として関係が悪化したベネチアとジェノバの争いの舞台となったのをはじめ、ペストが大流行した際には拡大を防ぐために、死者生存者を問わず感染した「数千人」(英紙デイリー・メールより)を島へ送って隔離し、放置したという。

時を経て、18世紀には貿易船の検疫所が置かれたポヴェリア島は、20世紀の1922年には精神科の病院が建設され、多くの患者が移住。ところが「医者が患者に実験を行った」「拷問した」「犠牲者の霊に取り憑かれた患者が身を投げた」などの噂が広まった病院は、1968年に閉鎖されるに至った。

以来、国有地となった島は立入禁止措置が取られているものの、後に米国のテレビリポーターが廃墟となった病院を取材した際、「幽霊に取り憑かれた」と主張した過去もあって、地元では「幽霊が出る島」としてその名が広く知られているという。

そんな不気味な島を所有するイタリア政府は最近、増え続けている国の負債を減らすための努力として、国有地の売却などで資金捻出策を検討。その一環でポヴェリア島も対象となり、5月7日に競売へかけられる運びとなった。ただ、実際に国の所有権を売却するわけではなく、「99年間のリース権」を与える形となるそうで、政府側としては島に残されている城や修道院跡も含めて「高級ホテル」を建て、観光地として開発してくれる業者の参加を希望しているという。

さまざまな噂が取り巻く島が果たして売れるのか、欧米メディアも広く注目しているイタリア政府の売却策だが、これに「待った」の声をあげているのが島と海を挟んだベネチア・ジュデッカ地区の住民たち。「私たちは島が公共のものであり続けて欲しい」と話す男性は、島が開発されるのではなく、現状のまま保全され続けることを願っているという。そこで住民たちは、「Poveglia per tutti(みんなのポヴェリア)」というFacebookページを立ち上げ、自分たちが競売に参加してリース権を得ようとする運動を開始。目標額の2万ユーロ(約280万円)の調達に向け、参加者に99ユーロ(約1万4,000円)の寄付を呼び掛けているそうだ。

EU内でも不安視されているとあって、財政再建は欠かせないイタリア政府が決めたポヴェリア島の売却。島が開発されて一新されるのか、現状からの変化を望まない住民たちの手に渡るのか、その行方が気になるところだ。

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