低温やけどの事故報告増える、湯たんぽ人気に伴う出荷増も背景に。

2012/12/12 16:44 Written by

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国民生活センターは、長時間のカイロ使用による低温やけどの情報が寄せられているとして、注意情報を発表した。低温やけどは、体温よりやや高い温度の熱源が体の同じ場所に長時間接触することで起こる。カイロや使い捨てカイロのほか、湯たんぽや電気あんか、ホットカーペットによる被害の報告が多い。同センターは、低温やけどは見た目より重症の場合があることから、早めに専門医を受診するよう求めている。

◎近年、報告件数が増加、1月がピーク

カイロなどによる低温やけどは、数年前から報告件数が増加している。経済産業省などに報告された事故情報では、2006年度までは報告件数が1ケタだったが、07年度には10件を突破。2008年度には30件に上り、うち16件が重大製品事故との結果が示されている。

報告の収集・分析を行っている製品評価技術基盤機構(経産省所轄の独立行政法人)によると、低温やけど増加の背景には湯たんぽの人気に伴う出荷個数の増加があり、原因別内訳でもトップ。電気あんかや使い捨てカイロがそれに続いているという。

低温やけどの発生件数は11〜3月に多く、1月にピークを迎えるとも分析されている。44〜50度程度の比較的低い温度に長時間、同じ場所の皮膚が触れることで局所の皮下組織が壊死して起こり、発症までの時間は一般的に44度で3〜4時間以上、46度で30分〜1時間、50度では2〜3分程度と考えられている。

◎睡眠薬服用などの熟睡による若年層での報告も

低温やけどは血流を圧迫する熱源の使い方や、知覚障害、糖尿病などの神経障害のほか、体が不自由あるいは泥酔などを伴う状態で熟睡中に起こりやすいとの指摘もある。今回、国民生活センターは背中にカイロを貼り、ホットカーペットの上に寝ていた90歳代男性の事例などを示している。

製品評価技術基盤機構には20〜40歳代の事例も報告されており、中には湯たんぽを付属の袋などで二重にくるんでも低温やけどを負った事例や、睡眠薬を服用して熟睡したため起床時に重度の低温やけどを負ったケースも見られる。ほとんどの事例で、使っていた製品の取扱説明書には低温やけどに関する注意事項が記されていた。低温やけどに関する情報が、消費者に浸透していないことが一因になっているのだろう。

今年1月に東京都が発表した「カイロポケット付きインナーウェアの安全性に関する調査」では、消費者への注意喚起の内容について、販売者側の分かりやすく伝える努力を認めつつ、「低温やけどの何が危険なのか、どういうときに重症に至るのかは消費者になかなか伝わっていない」との分析も示されている。

低温熱傷は皮膚表面の変化や痛みが弱いものの、皮膚深層の傷害が重度な場合、時に皮膚の移植も必要になることから、製品評価技術基盤機構は疑いがあれば早めに皮膚科や形成外科などの専門医を受診するよう呼び掛けている。

※この記事(http://kenko100.jp/news/2012/12/11/02)は、医学新聞社メディカルトリビューンの健康情報サイト「あなたの健康百科」編集部(http://kenko100.jp)が執筆したものです。同編集部の許諾を得て掲載しています。

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