子供の“目薬誤飲”に注意喚起、米では死亡例ゼロも半数以上が入院。

2012/10/30 17:08 Written by

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米食品医薬品局(FDA)は10月25日、市販の目薬や点鼻薬の誤飲による、子供の重篤な事故(有害事象)の報告があったとして安全性情報を発表した。これらの薬剤には目や鼻の充血などを取る血管収縮作が含まれるものがある。これらの成分を誤飲することによって吐き気や嗜眠(しみん=強い刺激を与えないと覚醒しない意識障害)、頻脈といった症状が起こることがあり、中には入院による治療を受けた例も報告されている。子供では数滴でもこうした症状が起こるという。

◎死亡例ゼロも半数以上が入院

今回安全性情報の対象となっている目薬や点鼻薬には、テトラヒドロゾリンやオキシメタゾリン、ナファゾリン、キシロメタゾリンといった血管収縮作用のあるイミダゾリン誘導体が配合されている。これらは日本の市販薬にも配合されていることがある成分だ。

外用による全身への影響はほとんどないが、口から摂取すると高い割合で体内に吸収され、全身的な作用を引き起こすことが知られている。FDAによると、誤飲による子供の有害事象は1985年からこれまでに96件報告があった。年齢は1〜5歳、死亡例はゼロだが、53人が吐き気や嘔吐(おうと)、嗜眠、頻脈や血圧異常、流涎(よだれ)、昏睡などで入院していたことが分かったという。FDAの担当官は「こうした事例は実際、もっと多く起こっているのだろうが、過少報告になりがち」とコメントしている。

子供では、1〜2ミリリットル程度のごくわずかな薬剤でもこうした症状が起こり得ることから、誤飲を避けるため子供の手の届かない場所に薬剤を保管するよう、注意を呼び掛けている。また、これらの製品を誤飲した場合には中毒情報センターに電話し、救急外来を受診するよう求めている。

◎チャイルドレジスタントパッケージ適用を

さらに誤飲の防止策として、FDAは消費者向けレポートで以下のようなアドバイスを行っている。

1.医薬品は子供の手の届く、あるいは見える範囲よりもかなり高く安全な場所に保管すること
2.医薬品やビタミン剤はキッチンカウンターや病気で寝ている子供の枕元などに決して置かないこと
3.医薬品容器にチャイルドレジスタントパッケージ(いたずら防止の工夫がされた容器)がない場合、使用のたびにきちんとふたが閉まっているかどうかを確認すること
4.ベビーシッターや客が訪問してきた際には、彼らの財布やバッグ、コートなどに医薬品を隠した上で子供の見えないところにしまってもらう
5.子供は大人の真似をしたがるものなので、子供の前で医薬品を使わないようにすること

一方、保護者の注意だけでは子供の誤飲事故の減少は難しいとの指摘もある。今年初めには、米国消費者製品安全委員会が一定量以上のイミダゾリン誘導体を含む目薬や点鼻薬にもチャイルドレジスタントパッケージの適用を求める規定案を発表したばかり。米国などではすでに誤飲事故の多い風邪薬などに対し、チャイルドレジスタントパッケージとしてプレスアンドターン方式(押しながら回して開ける方式)のキャップの使用が一般化している。

※この記事(http://kenko100.jp/news/2012/10/29/01)は、医学新聞社メディカルトリビューンの健康情報サイト「あなたの健康百科」編集部(http://kenko100.jp)が執筆したものです。同編集部の許諾を得て掲載しています。

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