YouTubeで目まい治療可能に? 「エプレー法」映像が有効と報告。

2012/07/26 14:58 Written by

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米ミシガン大学保健システムのKevin A. Kerber氏らは、動画投稿サイト「ユーチューブ」で公開されている目まいの治療法に関する映像が全世界で広くシェアされ、症状に悩む患者の有効な手段となっている可能性を、7月24日付の米国神経学会機関誌「Neurology」(電子版)に報告した。これは、良性発作性頭位目まい症の有効な治療法として知られる「エプレー法」(Epley maneuver)に関する映像で、同氏らの集計によると、最も再生回数が多かったのは同学会が制作したものだったという。

◎全映像の再生回数は約275万回

良性発作性頭位目まい症は、目まいの中でも多く見られる良性の病気。耳には平衡感覚を脳に伝える耳石がある。これは耳石器という器官にくっついていて、体を動かすとそれに合わせて動く。しかし、何らかの原因で耳石の一部が剥がれて隣の三半規管に落ちると平衡感覚に異常を来し、良性発作性頭位目まい症などが表れるという。

エプレー法は、耳石の移動を改善する治療法の1つだが、Kerber氏らは、エプレー法が簡単で有効な治療法にもかかわらず、医師の診療などでは十分に活用されていないと指摘している。

同氏らは2011年8月31日、ユーチューブでエプレー法を完全な形で紹介している動画を検索。同法が正確に伝えられているかを2人の専門家が検討したほか、視聴者のコメントから実際に同法を試したかどうかなどを評価した。

3,319件のエプレー法に関する映像が見つかり、そのうち33件の映像でエプレー法が実践されていた。全映像の再生回数は275万5,607回で、最も閲覧されていたのは米国神経学会が制作した映像(80万2,471回)だった。

◎治療法を広める良い手段

エプレー法が完全に正しく伝えられていたのは33件中21件(64%)で、投稿されたコメントの中には患者が自分で同法を実践した様子や、医療関係者が同法による治療を行った、あるいは教育資材として用いられた様子もみられたという。

Kerber氏らは、以上の結果から「映像による正確なエプレー法のデモンストレーションは、ユーチューブ上で広く用いられていたことが分かった」との評価を示した。

一方で、こうした映像を用いた啓発による予後、あるいは医療費に与える影響は現時点では不明と述べている。また、現在の映像では良性発作性頭位目まい症の診断に関する情報が含まれていないことや、それ以外のめまいを呈しているとみられる患者からのコメントが見られたことも分かったと述べた。しかし、それでもなお、エプレー法のような簡単で有用性の高い治療法を正しく広める上で、映像をシェアできる手法は重要と結論付けている。

※この記事(http://kenko100.jp/news/2012/07/26/01)は、医学新聞社メディカルトリビューンの健康情報サイト「あなたの健康百科」編集部(http://kenko100.jp)が執筆したものです。同編集部の許諾を得て掲載しています。

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