注目を集める“1400億円の家”、廃棄紙幣を銀行から譲り受けて制作。

2012/02/08 02:58 Written by Narinari.com編集部

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アイルランドの首都ダブリンでいま、“14億ユーロ(約1,400億円)の家”が話題を呼んでいる。この家を制作しているのはフランク・バックリーさんというアーティスト。2009年からお札を使った作品を制作し、反応の良さに手応えを感じていたという彼が、新しいプロジェクトとして昨年から始めたのが“お札の家”だ。

いきなり“14億ユーロの家”と聞けば、誰でも「どれほど豪華なのか」と思ってしまうだろうが、実はこの家、14億ユーロ分の廃棄されたお札で作られたもの。アイルランド紙アイリッシュ・タイムズなどによると、彼はアイルランド中央銀行から許可を得て裁断されたお札を譲り受け、これをブロックや壁に加工し、家の内外装に使用してプロジェクトを進めている。場所はダブリンにある「オフィスビルの空き室」(米デザイン情報サイトInhabitatより)を借り、一部で使用される木材も寄付で賄っているため、実際の制作費用は「まだ使っていない壁紙の35ユーロ(約3,500円)」(アイリッシュ・タイムズ紙より)しかかかっていないそうだ。

YouTubeには彼が取材を受けている動画(http://www.youtube.com/watch?v=beK0O25O9aY)も公開されているが、それによると、外壁に使われている縦約5センチ、横約15センチのブロック1個には「約4万から5万ユーロ分」のお札を使用。このお札の壁には断熱効果があり、彼自身「実に魅力的な住まい」(公式サイトのBillion Euro Houseより)だと胸を張るその家の内部は、「リビング、寝室とバスルーム」の3部屋で構成されている。

このプロジェクトは、現在も毎日12時間の作業を費やし、多くのギャラリーに見守られながら進行中で、今後「7週間以内に完成」(アイリッシュ・タイムズ紙より)する見込みだ。

奇抜なアイデアで世界各国のメディアからも注目されているバックリーさん。今回彼がこの家を制作しているのは、アイデアが浮かんだこと以外に、ある目的があったからだという。それは現在のアイルランドにおける経済の問題。アイルランド経済は2008年の不動産バブル崩壊を受けて、2010年にはEUとIMF(国際通貨基金)から財政支援を受けるほど悪化している状態だ。

バブル時には「失業中だった」(Inhabitatより)にも関わらず住宅ローンを受けられたという彼もまた、その後厳しくなった経済状況の煽りをもろに受けた1人で、子どもたちがこの家を見て「通貨とはどういうものか」(アイリッシュ・タイムズ紙より)を考えて欲しいと願っているという。

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