英の遺跡模した「カーヘンジ」、灰色に塗った38台の車が“観光名所”に。

2011/11/08 08:49 Written by Narinari.com編集部

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地方の街が地域の活性化を図るためには、名産・名品、観光地、グルメなど、人を集める何らかの“名物”が必要だ。米ネブラスカ州のアライアンスという街では、あるアーティストが作った1つの奇妙な建造物が注目され、ここ20年ほど多くの観光客を呼ぶ名所になっていた。その建造物とは、英国の有名な遺跡「ストーンヘンジ」をオマージュして38台の車で完成させた、その名も「カーヘンジ」。しかし最近、これを所有する団体がさらなる観光地としての発展を目指し、「カーヘンジ」の売却を進めているという。

この「カーヘンジ」は、1987年に「奇妙で面白い」(公式サイトより)作風が特徴のアーティスト、ジム・レインダースさんが作り上げたもの。レインダースさんは1982年に父親が亡くなった際、彼を偲ぶための祈念碑を作りたいと考えていた。そこで、生前父親が住んでいたアライアンスの土地に、英国在住時に興味を抱いた「ストーンヘンジ」を模して、灰色に塗った38台の車で形や大きさを“本家”のように再現した「カーヘンジ」を作ろうと決意。父親の葬式に集まった35人の親族と5年間相談を重ねて賛同してもらうと、1987年6月、お祭りのように楽しみながら、全員でこれを完成させたそうだ。

レインダースさんはアリゾナ州で暮らしているため、その後はアライアンスの地元住民たちの団体「フレンズ・オブ・カーヘンジ」に管理を任せると共に、建設地とその周辺の10エーカー(約4万平方メートル)の土地を寄付。団体は、何もないアライアンスの重要な観光資産として1994年から活動を始め、ギフトショップを立てるなど、年間8万人が訪れる「カーヘンジ」の維持管理を務めてきた。

この団体、もともとは突然現れた奇妙な「カーヘンジ」に対する地元の反感を払拭しようと、集まった有志によって設立されたという経緯があり、一時、地元議会で取り壊しの議論が行われた際も議員への説得を行って存続させたそうだ。そんな彼らだけに、今回の売却決定は止むに止まれぬ判断だったよう。というのも、入場料無料で公開している「カーヘンジ」は多くの観光客が訪れても収入はごくわずかで、観光客に喜んでもらうための何かを作りたくても「土地を開発することができない」(米地方紙リンカーン・ジャーナルスターより)状況のため、これまで州の補助金でギフトショップを建てたのがやっとだった。

今回の「カーヘンジ」売却はこの場所を有効利用し、観光地として「次のレベル」へ引き上げるための決断。現段階の予定では30万ドル(約2,300万円)で売却し、「キャンプ地やアイスクリーム店、ガソリンスタンドやコンビニ、ゴーカートトラック」などを建設し、さらに多くの訪問客をアライアンスに呼び込みたいとしている。

この考えはすでにレインダースさんにも伝達済み。「普段から、これだけ長く維持できたことに驚いている」(米ニュースサイトMSNBCより)とこの団体に感謝している彼は、今回の売却と発展計画にも理解を示しているようだ。

人里離れているアライアンスのために決断された売却計画だが、良き買い手が現れなければ団体が引き続き管理していくとのこと。関係者は「(時々)車が地面に落ちて壊れちゃう」(リンカーン・ジャーナルスター紙より)と、その苦労を笑いながら語っているそうだ。

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