子どもの落書きをアート作品に、自らの技術を加えて世界観広げる男性。

2011/07/06 14:41 Written by Narinari.com編集部

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子どもが思い思いに描く絵は、大人から見れば何を描いているのか分からないほど不格好ではあるが、知識や技術がないからこそ、ストレートな感情や想像力が表現された“ピュアな作品”とも言えるだろう。そんな奔放で無限の可能性を子どもの絵から感じ取った米国の男性は、そうした絵の原形をできるだけ留めたまま自らの技術で肉付けして世界観を広げ、鮮やかな作品に仕上げる活動を行っている。

この活動を行っているのは、ニュージャージー州でゲーム会社のイラストレーターをしている、45歳のデイブ・デブリースさん。英ニュースサイトのニュースライトによると、きっかけは今から11年前だった。ある日、彼は姪が描いた絵や落書きで埋め尽くされたスケッチブックを発見。それを見たとき、自分がそこに絵を加えたら「どんなものになるだろうか」と感じ、子どもの絵に自分の技術を加える作品を思い付いたそうだ。

「大人の経験と子どもの想像力の結合」(米ブログサイトのタクシー・デザイン・ネットワークより)を生み出す作業にかかる時間は、作品によって数時間から数週間とまちまち。子どもが描いた作品に直接アクリル絵の具を乗せる場合もあれば、転写機を使って忠実に写し取った後、それに絵の具を乗せる場合もあるという。彼はこの作業に「The Monster Engine」なるプロジェクト名を付け、2005年6月に公式サイト(http://www.themonsterengine.com/)を開設。そこには、これまで作り上げてきた絵の数々も並べられている。

さらには作品を集めた本も出版したデブリースさん。サイトや本は米国内でも評判を呼び、出版やイラストの賞をいくつも受賞したそうだ。それほどまでに注目された絵の数々を見れば、その評判も納得。子どもが書いた絵の原型を最大限留めつつ、モデルの肉付けや背景などを鮮やかに描き加えられた作品は、見事なまでにアート作品になっている。そうなってみると、子どもが描いた不格好なラインも、まるで芸術家が描いたような才能のように思えるから不思議だ。

作品を制作するにあたって「絵が何を意味しているのかは決して尋ねない」(ニュースライトより)という。いわば完成作は、子どもとデブリースさんの世界観の融合の結果、生み出されてきたものだ。これらの作品で注目を集めた彼は、現在高校や大学の芸術の授業にも出向き、制作手法を講義する活動も実施。彼の作品は、例え1人の力が及ばなくても優れた部分を持ち寄れば結果として素晴らしい物が出来るという、ほかの分野においても言えることの良いお手本なのかもしれない。

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