“G”にも似た大量の素数ゼミ、今年は米ミズーリ州で13年周期ゼミ大発生。

2011/06/11 09:53 Written by Narinari.com編集部

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北米には「周期ゼミ」または「素数ゼミ」と呼ばれる、13年または17年に一度、一斉に成虫になって地上で交尾を行うセミが何種類かいます。その発生の年は地域によって異なりますが、セントルイスを含むミズーリ州東部を中心に、今年は13年周期ゼミの「XIX」グループ(学術的に個々の集団グループには通し番号がつけられている)、別名「The Great Southern Brood」が大発生しているのです。

周期ゼミは数種類のセミの総称で、17年周期が3種、そして13年周期が4種います。これらが、単独または複数で規則正しくサイクルごとに成虫になるのです。17年周期ゼミは、10年連続で全米どこそこの地域で発生、2年のブランクを経て、さらに2年連続でまた発生、またまた3年休んで、周期の最初に戻るというサイクル。13年周期になると発生時期はグッと少なくなり、サイクル冒頭から数えて、1、3、4年目にしか発生しません(なので、まったく全米どこを探してもまったく発生しないブランクの年が9年間もあります)。

さて、ナリナリドットコム米国特派員の住むセントルイスでは、5月の中頃からセミが大音量で鳴いています。その鳴き声の大きさたるや人によっては頭が痛くなるほど。風が音のうねりを生みながら響いているのです(参考動画:http://youtu.be/epGsTUeVSsM)。



「閑さや岩にしみ入る蝉の声」と詠んだのは松尾芭蕉。そんな芭蕉でも、この周期ゼミの大群衆を目の当たりにしたら、眉をひそめそうな勢いです。しかも人間を恐れない彼らは、近づいても逃げない。むしろ人に向かって飛んで来ます。手にも乗ります。手乗りゼミは、文鳥より、ずっと可愛くありません。ちなみに周期ゼミの大きさは日本のアブラゼミよりももっと小振り。小振りなだけに、茶バネゴキブリにも似ているところが、さらにイライラです……。

ところでこの周期ゼミ、冒頭でもご紹介しましたが、別名は「素数ゼミ」(13と17は、いわずとしれた素数)。この年数ごとに大発生する生態は偶然の産物ではなく、進化の過程で必然性があり、きちんとした理由があってこうなったと言われています。一説では、セミは発生頻度を素数に保つことで、彼らを捕獲する天敵から食べられる可能性を少なくしているのだそうです。これは、素数はその数自身と「1」以外には正の約数がない(すなわち、自身の数と「1」以外では割り切れる数がない)という事実が絡んできます。

周期ゼミにはトリなど、自分より寿命が短い天敵がいます。周期ゼミの発生頻度が13年ではなく、仮に12年だったとしましょう。トリ(天敵)の寿命がそれぞれ3年、4年、そして6年だった場合、何世代かに一世代は正確なタイミングで大量発生したセミの「ごちそう」にありつきます。この「ごちそう」が子づくりの直前など栄養の必要な時期に重なれば、トリとしてはメリットが大きく、毎世代とは行かなくても、自身のライフサイクルをセミの発生周期に進化させれば、生き残りにも有利になるのです。12だけでなく、素数以外の数字ではこういった周期を同調させる可能性がグッと高くなります。

ところが、セミの周期が13年になるとどうでしょう。トリの寿命周期とのあいだにズレが生じます。13は、3、4、6、いかなる整数(もちろん「1」以外)でも割り切れないからです。この天敵にとって「不便さ」が、周期ゼミにはさらに有利になります。こうした理由があるからこそ、周期ゼミは進化して行く上で、13年と17年という発生周期を適応して行ったのです。

ミズーリ州では、2015年にはさらに17年周期のセミも発生する予定。今から、ちょっと怖い気もするのでした。

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