「死ぬ前に何がしたいですか?」ポラロイドカメラで撮り続ける2人。

2010/08/08 17:04 Written by Narinari.com編集部

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一時期人気を集めながらも、デジタルカメラの普及に押される形で2007年4月に生産を中止したポラロイド社製のインスタントカメラ(※)。この生産中止をきっかけに、「Before I Die, I Want To...」なるプロジェクトを思い付いた2人の米国人女性カメラマンがいる。もともとカメラマンの1人が、被写体の人々に聞くのが好きだった質問と、ポラロイドカメラが消えゆく運命をかけたというこのプロジェクト。街を行き交う人に「死ぬ前に何がしたいですか?」との質問をぶつけ、答えている瞬間の表情をポラロイドカメラで切り取るというもので、これまでに1,200人以上が参加したそうだ。(※ポラロイドカメラは現在、復活に向けて再始動中。2009年12月に発表)

このプロジェクトを始めたのは、米国で活動しているニコル・ケニーさんとKS・リーヴェスさんという2人の女性カメラマン。米紙ニューヨーク・デイリーニューズによると、2人はポラロイドカメラの製造中止を知ると、すぐにカメラを利用したプロジェクトを計画、2008年から「Before I Die, I Want To...」を始めた。

「死ぬ前に何がしたいですか?」との質問と、姿を消すポラロイドの掛け合わせについて、ケニーさんは「本当にぴったり来ると思った」と話している。こうして始まったプロジェクトは、米国やインド、欧州、南米、日本を含む各地で、1,200人から“希望”を聞いてきた。話してもらった内容は、撮影した写真にもペンで直接書いてもらい、そのすべてを2人が立ちあげたウェブサイト「What do you want to do before you die?」(http://www.beforeidieiwantto.org/)で公開している。

掲載されているそれぞれの回答を見ると、まさに十人十色。「自分と家族の健康」や「世界平和の実現」と周囲に想いを巡らせる人もいれば、「空を飛びたい」「結婚して子どもをたくさん産みたい」と、自分が本当にしたいことを願う人までさまざまだ。男女や世代、地域といった違いで価値感も異なり、人がどのような希望を持っているのか、それを知るだけでも充分に面白い。

そんなサイトを見ていると、撮影した場所を示したメニューに、「USA」「INDIA」と並び「HOSPICE」があることに気が付く。ケニーさんはこの企画を始めてから、まさに命の終わりを間近に感じているホスピスの人々へ、この質問をしてみたいと思ったそうだ。そこで、あるホスピスの管理者に相談。すると、意外にも「驚くほど簡単」に許可が出た。

この管理者は、この質問を患者に問うことに「意味がある」とプロジェクトに理解を示している。ただ、死をデリケートに捉えている患者も当然少なくないため、看護師や身近な関係者に患者の気持ちをしっかり確認するのは不可欠。その上で「あなたの夢は何ですか?」などと慎重に言葉を選び、写真を撮らせてもらっているという。

そうして得られた回答には、「私が学んだことを次の世代に伝えたい」「ロンドンに行ってみたい」「また20歳になりたい」と、健康な人たちと同じように夢を語る人がいる一方、「もう痛みはいらない」「リラックスしたい」「寝ていたい」と切実な答えも。

元気なときには、死を意識して「死ぬ前に何がしたいか」と考える機会はあまりないが、実際に死を目前にしたときに「あれがしたかった」「ああしておけば良かった」と思うのはどこか辛い。自分はこの人生で何をしておきたいのか、「What do you want to do before you die?」を見ながら1度考えてみてはいかがだろうか。

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