レース中に馬上で騎手が殴り合い、米国の競馬で起きた“乱闘劇”。

2010/01/27 07:49 Written by Narinari.com編集部

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時速約60キロものスピードで走るサラブレッドを騎手が巧みな技術で操り、コンマ1秒の世界で勝負を繰り広げる競馬。多くのファンの賭け金を背負うという意味でもそうだが、自動車並みの速さの中を他馬と競うのは、騎手にとって命懸けの仕事だ。万が一落馬してしまうと落下の衝撃だけでなく、馬に踏まれる、蹴られるといった危険性もはらみ、時には命を落とす場合もある。そのため、騎手は自分の馬を少しでも前へ走らせると同時に、ほかの馬に危険を与えぬよう細心の注意を払ってレースに臨まなくてはならない。ところが、先日米国で行われた競馬のレース中に、騎手同士が走っている馬の上で殴り合うという事件が起きた。

この事件は1月8日にフィラデルフィアパーク競馬場で開催された第5レースでのこと。その様子は米競馬専門チャンネルTVGがYouTubeに投稿した動画「Jockey Fight at Philadelphia Park - Exclusive All Access Footage」(http://www.youtube.com/watch?v=TVtthE4sLXo)で確認できる。11頭立ての第5レーススタートシーンが流れると、すぐに動画は問題のシーンを映しだした。

ダートコース内目前寄りの位置で並走する競走馬の鞍上には、ともに白い帽子をかぶった2人の騎手。なにやらお互いに顔を向けているかと思うと、画面向かって右側の騎手のパンチが、左側の騎手に一発入った。間髪入れずにパンチで応戦した左側の騎手に、右側の騎手はさらに鞭で相手の背中を叩いて反撃。2回繰り返されているスローの場面では、しなる鞭の様子がくっきりと映しだされている。

この後、両馬とも位置取りを変えて離れ、殴り合いは終了。幸い大きな事故には繋がらなかったが、何かあったら2頭の後ろを走っていた馬にも大きな影響を与えかねなかっただけに、この事件は騎手としてあってはならない問題だ。

米地方紙フィラデルフィア・インクワイヤーによると、鞭で叩いたのはディヴァインライト号騎乗のエリルイス・ヴァズ騎手で、殴られたのはミヘレナ号騎乗のアデマール・サントス騎手。同紙によると、サントス騎手は「殴り合う前に、ヴァズ騎手が3回ほど自分のほうに寄ってきた」と進路妨害があったと主張し、「何でそんな走り方をするんだ」と問い詰めたそう。しかしヴァズ騎手はそれにパンチで応酬、殴り合いとなった。

この事件ではヴァズ騎手が騎乗したディヴァインライト号に処分が科され、5着から9着へと降着。米競馬専門誌ブラッドホースによれば、1月24日までに2人に対する処分は確定しておらず、「決まるまでは騎乗できない」と伝えている。

鞭で相手を殴ったヴァズ騎手は、事件の翌日にTVGを通して「ひどい間違いを犯してしまった」と謝罪コメントを発表。一方のサントス騎手は、レースではミヘレナ号に処分を科されなかったものの、同馬を管理している調教師から「永久に私の馬に乗らせない」(フィラデルフィア・インクワイヤーより)と“絶縁宣言”を受けたという。

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