香港でも「新劇場版:破」公開、熱烈ファンに聞いた現地の「ヱヴァ」事情。

2009/12/07 15:40 Written by Narinari.com編集部

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日本での公開から約5か月が経った12月3日、香港でも映画「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破」の公開がスタートした。公開規模は、香港で2008年4月3日に公開された前作「序」と同様の全8館。今回、ナリナリドットコムの中国特派員は、これまで「ヱヴァ」の先行上映会や各種イベントを開催してきた映画館「MCL Telford Cinema」に潜入、公開初日の様子とともに、香港最大のファンサイト「HKEF EVANGELION CLUB」(http://hk.myblog.yahoo.com/HKEF-EVA)メンバーへのインタビューを通して、当地の「ヱヴァ」事情をお伝えする。


◎香港での「ヱヴァ(エヴァ)」の歴史

香港でテレビシリーズが初めて放送されたのは、今から13年前、1996年までさかのぼる。当時は有料チャンネル限定での放送だったが、その後、ジワジワと口コミで人気が拡大。1998年には民間テレビ局のATVでの放送が決まり、これをきっかけに香港でも社会現象と呼ばれるほどの人気となった。以降、カードや書籍、ゲーム、フィギュアなどの各種関連商品も発売され、現在も日本のロボット系アニメでは「機動戦士ガンダム」に次ぐ人気を博している。

ファン層は20代〜30代前半が多く、それよりも年齢が上がると、圧倒的に「ガンダム」人気のほうが高い。また、ファン人口も「ガンダム」にはかなわず、ファンイベントも「ガンダム」のそれと比較すると少ないのが現状だ。ちなみに、「ガンダム」「ヱヴァ」に続く人気の日本のロボット系アニメは「マクロス」だと言われている。


◎映画公開初日の様子は?

公開初日の12月3日は平日ということもあり、仕事帰りの鑑賞となる19時55分の回が最も賑わう時間帯。そのため、ナリナリドットコムもこの回に潜入することにした。

客層は10代後半から20代が中心だが、中には中年カップルや一人で鑑賞に訪れる女性の姿もチラホラ。男女比は半々ほどで、ミドルクラスの映画館である「MCL Telford Cinema」の席はほぼ満席の状態となった。「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破」は、11月20日と21日、28日に先行上映会が催されており、コアなファンの多くはその機会にすでに鑑賞していた模様。ただ、この3度の先行上映会で鑑賞した上で、さらに公開初日に映画館へ足を運んだ大ファンにも遭遇した。香港でも「ヱヴァ」が深く愛されていることがうかがえる。

「MCL Telford Cinema」のグッズ販売コーナーを覗いてみると、上映が始まる直前には多くの観客でごった返した状態に。グッズは4種類のTシャツ、8種類のエコバッグが販売されており、別の場所では真希波・マリ・イラストリアスのフィギュアも売られていた。フードサービスでは「ヱヴァ公開記念」と銘打ち、ポップコーン、ドリンク、ミニライトのセットを40香港ドル(約468円)で販売。このミニライトは綾波レイと式波・アスカ・ラングレーの2種類があり、暗い場所でライトを点灯させると、二人の顔が投影されるようになっているものだ。


◎熱い香港の「ヱヴァ」ファンたち

今回、せっかくなので香港人の「ヱヴァ」ファンである17歳の高校生、セイジ・S・ワンさんとコンタクトを取り、一緒に鑑賞することにした。彼は香港の「ヱヴァ」界隈ではちょっとした有名人。2006年1月に「ヱヴァ」のフィギュアを紹介するサイト「HKEF EVANGELION CLUB」(HKEFはHONG KONG EVANGELION FRONTの略)を立ち上げ、これまで香港での「ヱヴァ」人気を盛り上げようと、仲間のメンバーたちと頑張ってきた人物だ。公開初日の鑑賞には同クラブのメンバー6人(13〜20歳)が集まり、いろいろと香港の「ヱヴァ」事情について聞かせてくれた。

彼らの活動は、バイトで貯めたお金でフィギュアを買い、関連資料を集め、広東語に翻訳してウェブサイトで紹介すること。フィギュア関連の書籍も購入して、日々勉強しているという。香港における「ヱヴァ」のファンサイトは、テレビシリーズが初めて放送された1996年頃に一度できたことがあったそうだが、いつの間にか更新が止まり、閉鎖されてしまったそう。現在はいくつかのファンサイトが存在しているが、「HKEF」は香港初のヱヴァ専門フィギュアサイトにして、最大のファンサイトになっている。

セイジさんは「ヱヴァ」好きであるとともに、大の日本好き。そのため、自宅の近くにある日本語学校にも通い、日本語を一生懸命勉強している。「英語よりも日本語が得意」と言うのだから、香港では珍しい。

自宅には海洋堂やコトブキヤなどのフィギュアが数多く並び、フィギュア以外の各種グッズも合わせると、その数は500点以上にも及ぶという。「それでも整理して捨てたほうなんですよ」と、もっと多くのグッズを所有していた時期もあったらしい。最近のお気に入りはメディコム・トイが発売した、2万円近くする精巧なアクションフィギュア「碇シンジ」で、その理由を「今まで綾波やアスカばかりがフィギュア化されて不満だった」と熱く語る。価格が高いこともあり、パッケージを開けずに、大切に保管しているそうだ。

フィギュアを買う場所はモンコック(九龍半島中部の繁華街)が中心。それでも手に入らないときは、モンコックのお店に頼んで日本から取り寄せたり、日本からの通信販売やオークションで購入しているという。ちなみに、葛城ミサト役を担当する声優・三石琴乃のサイン色紙は、オークションで競り落としたそうだ。


◎「HKEF」メンバーの「ヱヴァ」との出会い

今回集まった「HKEF」メンバーの多くはまだ10代の若者だが、それぞれが「ヱヴァ」に出会った当時はまだ10歳に満たない子どもで、「最初は意味がわからなかった」「カッコイイ。その程度の印象」だったという。

そんな彼らに、いま、「ヱヴァ」のどこが好きなのかを聞いてみると、「暴走するところ」「90年代の古いイメージ(女の子の髪が長いことなど)」とのこと。また、一般的に香港人が好む「ヱヴァ」のキャラクターについても聞いたところ、「綾波レイ」が最も人気があり、女性ファンの間では「渚カヲル」が圧倒的な人気だと教えてくれた。セイジさん曰く「香港の女性ファンはみんな渚カヲルが好きで、最も好きなエピソードはテレビシリーズ第24話の『最後のシ者』ですね」。


セイジさんは、日本の「ヱヴァ」ファンサイトとの交流や、掲示板への書き込みを通して、積極的に「ヱヴァ」の情報を収集している。もし「SEIJI.S.WONG」というハンドルネームを見かけたら、温かく見守ってあげて欲しい。

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