昭和天皇を描いた映画「太陽」、ロシアの映画祭でグランプリ。

2005/06/30 15:58 Written by コ○助

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先日お伝えした映画「ホテル・ルワンダ」同様、海外で高い評価を受けていても、諸般の事情により日本で公開される見込みがない作品が稀に存在するなりが、アレクサンドル・ソクーロフ監督の「太陽」も公開の目処が立っていない作品のひとつ。「昭和天皇」というデリケートなテーマの作品ゆえ、配給会社が及び腰にならざるを得ない事情は分かるなりが、次々と海外の映画祭で結果を残しているというニュースを耳にすると、せめてDVD化くらいは何とかならないものかと思ってしまうなりよ。

「太陽」はアレクサンドル・ソクーロフ監督が、ヒトラーやレーニンを描いてきた3部作「20世紀の権力者」のひとつとして、これまで誰も描いて来なかった昭和天皇をテーマに据えた作品。日本からはイッセー尾形、桃井かおり、佐野史郎らが参加し、特に昭和天皇役のイッセー尾形は、出で立ちから話し方に至るまで昭和天皇の雰囲気を見事に再現していると専らの評判なりよ。コ○助も何かのテレビ番組でチョロッとだけ映像を見たことがあるなりが、記憶の中にある昭和天皇の姿とイッセー尾形が扮する昭和天皇の姿があまりにも合致していて、絶妙すぎるキャスティングにちょっとした驚きを覚えたほどだったなりね。

そんな「太陽」は海外の映画祭を転々としながら配給のオファーを待っている段階なりが、今年2月に開催された第55回ベルリン国際映画祭のコンペ部門に出品されたほか、今回、ロシアで開催された第13回サンクトペテルブルク国際映画祭でグランプリを獲得したなりよ。サンクトペテルブルク国際映画祭はそれほど大きな規模でも、権威があるわけでも無いなりが、過去にはチェルノブイリ原発事故後もベラルーシの小さな村で生活する人々を追った日本のドキュメンタリー映画「アレクセイと泉」(本橋成一監督作品。音楽は坂本龍一が担当)がグランプリを獲得するなど、芸術性というよりは、社会性の高い作品がグランプリに選ばれる傾向が強い映画祭なりね。

ベルリン国際映画祭に出品された際に、スポーツ報知のインタビューに答えたイッセー尾形は、「言いたかったのは、とにかく見てほしい、ということ。見ていただかないことには、映画の意図することは何も伝わらない」「日本公開は難しそうですが、正直、理解できません。今後、海外の映画館や映画祭では上映されるので、日本の方も見てほしいです」と、少しでも多くの人に観てもらえるよう訴えかけていたなり。今回のサンクトペテルブルク国際映画祭グランプリ受賞が、公開へ向けての箔付けになると良いなりが、まだちょっと弱いなりか。

作品の内容はドキュメンタリータッチながら、ややフィクション部分も肉付けされているため、これが「本当の昭和天皇」というわけでは無いなりが、それでも今までベールに隠されていた「人間としての昭和天皇」に迫った、恐らく初めての作品として日本で公開する意義は十分にあると思うなり。異論、反論はあれど、日本人ならば一度は目を通しておきたい「太陽」。果たして日本で陽の目を見ることはあるのかどうか。どこか勇気ある配給会社が現れないなりかねぇ。

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